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ハンドメイド品の売価を考える

ハンドメイドというと趣味という概念が思い浮かびますが、製造業の一環と位置付けしましょう。

「ものづくり」・・そうです、日本の得意分野の一つと言える業種に属します。

ではこれを作る目的から売る目的に移行する時、何を考える必要があるでしょうか。

 

売価と原価を考えて粗利を出す

少し専門的な単語が出てきましたが、簡単に説明していきましょう。

「売価 – 原価 = 粗利」 / 「粗利 – 経費 = 純利益」

例えばAという商品を作ったとして考えていきます。

この商品に対する材料費(原価)は1,000円、制作時間は一日2時間で3日かかりました(計実働6時間)。

そして材料を買いに行くのに交通費が往復500円かかりました。

 

販売するにあたって、この商品を材料費の倍・・つまり2,000円で売ろうとしたとします。

売価(2,000円) – 原価(1,000円) = 粗利(1,000円)

粗利(1,000円) – 経費(500円) = 純利益(500円)

この計算式には人件費が含まれておりませんので、純利益を人件費(自分の労力)に換算します。

そうすると、6時間費やしたわけですから、時給83円に換算できてしまいます。

そして業務としてのお店(仕事上のお財布)に残る利益ストックは、0円となります。

しんどい仕事ですね。

 

単数で考えるか複数で考えるか

上記例を単数で考えてみた場合、売価を上げるか作業時間を効率化させるかになります。

例えば売価を3,000円に上げると、時給換算で250円。

売価を変えずに4時間(2日)で作ったとなれば時給125円。

両方達成したとすれば、時給375円です。

 

複数で考えた場合どうでしょうか。例えば10個の注文が入って作ったとしましょう。

「売価 20,000円、原価10,000円、経費500円、労働力60時間」になります。

粗利は10,000円、時給換算で158円になります。

同じ労力をかけても、複数制作ですと自分の労働手当ては増えていく傾向にあります。

どういう数字のマジックか、数字の好きな方には一目瞭然ですが、一応解説していきます。

 

固定経費と変動経費

今回の例題の場合、変動経費とは原価です。

商品に対して、50%の原価をかけていますが、1個なら1,000円、10個なら10,000円と比率は変わらず額は変動します。

それに対して交通費は500円と固定です。

つまり売上に占める経費率は数が多くなれば減ります。

1個 = 交通費の経費率 25% (500円 / 2,000円)

10個 = 交通費の経費率 2.5% (500円 / 20,000円)

この22.5%の差額が、利益に還元されるという事になります。

 

「薄利多売方式」

よく耳にされる言葉ではないでしょうか。

漢字の通り、たくさん売って薄い利益を積み上げるというやり方です。

個人事業には厳しい手法と言えますが、ハンドメイドの世界ではこれも重要な戦法の一つです。

先述にあるように、売価を上げるのは簡単ですが、果たしてその価格の価値があるかどうか。

実績を積み重ねてブランド力を付けるか、ある程度の薄利多売をしてお店に体力をつけるか。

本当に趣味から脱却しようとすれば、これらの要素を考えて行動していくことが求められますね。

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当店の薄利多売商品でもある扇子ケースです。(売価 200円)

売価を安く設定することで、簡単なお土産などに多く買っていただけると商品価値が出てきます。

 

【オーナーの本業を少しご紹介】

・Web制作とWeb活用のアドバイザー

・飲食店運営コンサルタント

・広告関連会社の経営

などなど、様々な分野で人と触れ合い神戸を中心に阪神間でウロウロしています。

ハンドメイドは北野店を運営するのに物販店も経験してみたくていろいろ挑戦中です。

 

神戸にお越しの際には、お気軽にお立ち寄りください。

「ギャラリー喫茶 Conifar」

http://www.conifar.com/gallery/

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